協議離婚が理想どおりに当事者の自由な意思だけで利用されるためには、社会的に男女の平等が名実共に実現されていること、母子家庭?父子家庭に対する社会保障が充実していることなどの条件が必要です。そうでないと、協議離婚は、経済的に優位に立つ夫からの離婚の自由に役立つばかりで、妻の座を不安定にし、あるいは両親の無貴任、身勝手な離婚のために、罪のない幼い子どもが犠牲を強いられる結果になるおそれがあります。最近では、仕事を持って経済力のある女性が増え、結婚しても仕事を辞めないで夫と同等な収入を得ている女性も多くいますが、わが国ではまだまだ結婚して子どもができると、女性はそれまでの仕事を捨てざるを得ず、再び就職したとしてもパート程度の家計補助的な仕事に就く、言い換えれば経済的には夫に依存しているという妻が圧倒的に多数です。経済的に夫に依存していれば、夫から離婚したいと言われたときに、対等にわたりあって良い条件で離婚するということができないまま、夫の言いなりの条件で協議離婚に応ぜざるを得ない場合もあり得るわけです。また女性は経済力の問題だけでなく、法律や公的な制度に関する知識も平等に持っていてほしいものです。夫は仕事を通してそれなりに社会的知識を得る機会があるのに比して、子育てと家事に追われている妻はどうしても法律的知識などに日頃接する機会は少ないと思います。協議離婚という言葉ぐらいはだれでもわかかりますが、協議離婚を拒否したらどうなるのか?調停と訴訟の違いは何か?などの知識となると、日常的に関心がない限り身近な問題ではありません。離婚したら子どもの児童手当はいくらもらえるか、将来の自分の年金はどうなるか、などについて、離婚など考えたこともなければ関心がないのも当たり前の話です。また生半可な知識でも困ります。不貞をした夫から「五年経てばいやでも離婚は成立するぞ、だから今すぐに離婚しても同じことだ、法律がそのようになっているんだ」と言われて混乱する女性もいますが、このような夫の言い分は、有實配偶者(離婚の原因をつくった側)も離婚できるようになったという判例の傾向と、五年別居すれば理由を問わず離婚を認めようとする民法改正の内容とを都合のいいようにこじつけ合わせたものにすぎません。なので、探偵から浮気調査資料は必要ですが、あしからず。しかし、きちんとした法律知識を持っていないと「法律が改正されたんだ」などと言われるだけで対等な話合いどころか、臆してしまうことになりかねません。また協議離婚という「話合い」も「交渉の一つ」です。そして、自分のことで交渉するということは、他人のことに口出ししたり助言したりするより、疲れるものです。友人の離婚話で、「そんな身勝手なことで離婚しちやだめよ」と強気の助言をできる人でも、自分のこととなると大変消耗するものなのです。友人に話を聞いてもらうだけでもいいですし、専門家に相談をすることも大切てす。交渉ごとなどしたことのない女性は多く、知識だけでなく経験も男性と対等とは言えないのが実状ですが、落ち着いて考えれば、離婚は「自分の気持ち」「子どものこと」「生活のこと」が重要なキーワードなのですから、それほど理解し難いという問題ではありません。協議離婚に関して言えば、男女とも経験がない人が大多数なのですから、そこは相談できる第三者を探み切った方がよい今では妻の地位と権利意識も高まり、妻の方からさっさと役所に行って離婚届用紙をもらつてきて、煮えきらない夫に署名.押印を迫るという話を見聞しますが、協議離婚については、しばしば追い出し離婚の弊害が指摘され、夫の勝手な専断離婚のカムフラージユにほかならないという批判があることを知つておいでください。簡単だからこそ、いつそう慎重な準備と対応がのぞまれるわけです。
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